愛も盲目
随分前のことですが,1歳だった娘が,鼻炎で鼻呼吸が出来なかった時,鼻汁を口で吸って出してやったことがありました。それは妻には,受け入れ難いものだったらしく,ドクターに相談したところ,不衛生だからやめてくださいね,と助言いただき,鼻吸い器という大変便利な道具がやってきて,しばらくの間,家宝となりました。
時に愛情は,第三者にとって,理解しがたい行動を引き起こすものです。
Mさん宅のジジちゃんは,8歳のキジネコで女の子。3年前から便秘症で食事療法と内科療法を行っています。
ある日,Mさんから電話がありました。
「今,肛門から顔を出しているんですけど,何か手助けする方法ありますか?」
Mさんのハイテンションな声の実況が,ジジちゃんのトイレでの奮闘を物語っています。
「何かしようとすると,かえって出るものも出なくなっちゃいますから,プライバシーを守って,そっとしておいてください。」
「そうですか。私,側で一緒に,ウー,ウーっていきんでみたんですけど,やっぱり駄目ですか。」
“・・・”
いいじゃないですか,科学的な根拠は,この際。女性同士のあうんの呼吸もあるでしょう。何とかしてあげたいんだから,一緒にいきんでみたっていいじゃないですか。応援が踏ん張る力の源になるかもしれないじゃないですか。
でもね,でもね。笑ってしまって,ごめんなさい。
ちなみにジジちゃんのお宝は,その後,無事に産まれたとのことでした。