手作り
Yさん宅のももちゃんは,15歳の柴犬です。若い頃は,とても気が強かったそうで,見知らぬ人は一切寄せ付けず,庭に猫が入ってこようものなら,けたたましく吠えて追い返したそうです。
そんなももちゃんですが,体のほうは病気がちで,膀胱炎,皮膚炎,子宮の疾患,乳腺腫瘍など様々な病気を乗り越えてきました。
特に消化器が弱く,若い時から頻繁に下痢になり,様々な食事を試してきましたが,ここ数年はとてもお腹の調子が良いのです。
その秘密は,Yさん特製の自家製フード。お腹の弱いももちゃんのために,蛋白質をラム肉に限定し,カルシウム,炭水化物,ビタミンを正確に調整し,食物繊維としてごぼうを混ぜて,毎日与えています。今では,お肉屋さんに行くと“いつものね”と,ラムが出てくるそうです。
たまにYさんが忙しい時には,処方食のラムの缶詰を使いますが,缶詰が続くと,やっぱり便がゆるくなりがち。
“ももは,手がかかるように出来ているみたい。”そんなふうにおっしゃって,手作りのお食事が日課となっています。
最近では,猫が庭に入っても吠えることはなく,足腰もだいぶ弱くなりましたが,年輪がはなつ風格と,穏やかな顔がかもし出す雰囲気が,とても味わい深いももちゃんです。
そんなももちゃんを見ていると,安らかな気持ちになってくるのは,毎日の手作りのお食事にこめられたYさんの愛情が,伝わってくるからなのかもしれません。