妊婦さんと猫 Fukami Animal Hospital

ズーノーシス(人畜共通感染症)のひとつに<トキソプラズマ症>と言う感染症があります。寄生虫の一種で、猫のおよそ20~50%が抗体検査(血液検査)陽性で、感染があると推測されています。妊娠中の方が初感染すると、流産や胎児の発育不良などが起こる事がありますので、注意が必要です。

猫の感染経路 

トキソプラズマを持っている肉や、感染した動物(ネズミなど)を捕食することによって感染します。

猫の予防 

生肉を捨てる時にはしっかりと蓋の閉まるゴミ箱に入れ、猫が触れないようにしましょう。また室内飼育にし、猫が他の動物を食べる環境を作らないようにしましょう。どうしても外へ出たがる猫は、自宅の庭くらいに留め、飼い主様の目の届く範囲で散歩させましょう。

人の感染経路

トキソプラズマに感染した猫は、糞便中にオーシスト(卵)を排泄します。オーシストの付着した土や水や草を豚が食べます。その豚肉を十分に加熱せずに食べると、人は感染します。猫がオーシストを排泄している期間は一週間程度で、オーシストが感染能力を持つためには、環境の中で数日間の期間が必要です。

したがって、排泄された日に衛生的に糞便を処分すれば、人に感染する事はありません。しかしオーシストを排泄している猫が、公園の砂場などで排泄した場合には、誰も片付ける人がいないまま2~3日過ぎて、オーシストが感染力を持ち、遊びに来た子供が感染してしまう、ということがありえます。

人の症状

妊娠中の母親を通じた胎児の先天性感染の場合、流産や神経障害、発育不良などが起こることがあります。後天性感染では、多くの場合特に症状はありませんが、HIVなどで免疫力が弱くなっている場合、肺炎や脳膜炎などが現れます。

正しく接する

感染経路を知って正しく接すれば、長年可愛がっていた猫を「妊娠したから」という理由で手放す辛い思いはせず、妊婦さんも猫もそしてこれから生まれる赤ちゃんも、みんな幸せに暮らせるのです。