フィラリア症の準備は万全ですか? Fukami Animal Hospital
暖かくなってくると,わんちゃん達にとって大切なフィラリア予防の季節がやってきます。そもそも<フィラリア症>とは,どんな病気なのでしょう?何故<予防が大切>なのでしょうか?
フィラリア症とは
フィラリアは、感染した犬から直接他の犬に感染せず、蚊が吸血する時に、同時に「フィラリア」という寄生虫の幼虫をうつします。そのフィラリアの幼虫は犬の皮下組織で育ったあと、心臓内や肺動脈に入り込み、下記のような症状を呈して、慢性経過をたどり死に至る、とても恐ろしい病気です。また、少数の寄生でも心臓の弁膜に絡むと急性の経過をたどり、死亡することがあります。
感染すると
初期症状
●次第に元気がなくなる。
●散歩に行きたがらない。
●運動を嫌がる。
●食欲がなくなる。
後期症状
●咳をよくする。
●お腹が膨れる。(腹水)
●貧血・失神。
フィラリア症は予防できる病気です
フィラリアは蚊が伝染媒介しているため、蚊の発生時期に合わせて予防します。蚊の発生時期は毎年少しずつ変化がありますが、蚊が発生しても温度と湿度が一定値まで上がらなければ感染がはじまりません。東京・千葉等関東地方では早い年で5月の初旬から感染がスタートします。(3~4月にいくら蚊にさされてもフィラリアには感染しません。)
フィリア症の予防薬は、犬が蚊にさされないようにするためのお薬ではありません。犬の体内にフィラリアの幼虫が入ってから、成虫になる前に駆虫する働きがあります。予防薬は、感染後(蚊にさされてから)約1カ月後に最大の駆虫効果を発揮しますので関東地方では6月初旬から、予防薬をスタートしましょう。
予防薬は途中で止めないで!
フィラリア症の感染期間は関東地方では、5月~11月です。「秋は蚊にさされないから」と,9月くらいに投薬を止めてしまう飼い主様がいらっしゃいます。それでは意味がありません。感染期間内はずっと投薬を続けて、初めて「フィラリアの予防をしている」事になります。投薬は12月初旬まで続けて下さい(11月の感染を12月に駆虫します)。
予防薬の種類と特徴
- 錠剤
- 一般的なお薬。投薬が容易なわんちゃんに向いています。
- チュアブル
- ビーフタイプのお薬。回虫の駆虫も同時に出来ます。嗜好性が高く、おやつのかわりに与えられるので、投薬の苦手なわんちゃんに向いています。
- スポット
- ノミの駆除を兼ねているので、コストパフォーマンスに優れています。首の後ろに垂らすだけなので、「薬を食事に混ぜると、薬だけ残す。」といったわんちゃんに簡単に投薬できます。
- 注射
- 投薬が確実です。6月に注射すれば翌年から血液検査が不要になります。「毎月お薬を飲ませるのを、つい忘れてしまう。」といった忙しい飼い主様に向いています。